不動産コラム

不動産業界のトレンド

不動産業界 トレンド マクロデータ振り返り

・不動産投資市場規模約2500兆円
日本の年間国家予算の20倍超、GDPの4~5倍
(※国土交通省資料より)

・国内不動産業の売上高規模46兆円(2014年より増加傾向)
売上高利益率は、2014年より全業界でトップ
(※財務省の法人企業統計調査(平成30年度調査版)より)

・不動産業の法人数32万8553社(2017年度)
全産業の1割以上を占め、増加傾向。
不動産業界従事者118万で、全産業約6178万の約2%
新卒の不動産業界就業者数約1万4千人(全体約43万人の約3.2%)で、数年にわたり増加傾向
(※不動産流通推進センター「2019不動産業統計集」より)

→依然として経済的インパクトの大きい業界であるものの、様々な変化が起きている!

トレンド①With コロナ社会

今回のコロナで色々と影響がありました。
●リモートワーク → オフィス需要注視
●外国人入国制限 → ホテル需要打撃
●蜜を割ける生活 → 地方への移住 → 住宅需要影響
●蜜を割ける生活 → オンラインショッピング → 物流需要↑
●資金化需要 → 中古物件の在庫増大
●内覧や物件紹介 → 益々進むオンライン化
●今後は重説・契約も → オンライン化が一層進む可能性有

トレンド②人口減少

【統計データ】
●少子高齢化の加速
●2008年をピークに総人口が減少
●2050年には日本の総人口は1億人を下回る
→エリアごとの差がより大きく、人口増加している7つのみ
1位東京都、2位沖縄県、3位埼玉県、4位神奈川県、5位愛知県、6位千葉県、7位福岡県
→大都市集中傾向
2025年に東京都人口は1398万人まで増加する見通し(※東京都統計調査より)
→人口増加しているエリアは引続き不動産は高値傾向
→それ定住人口の増加が難しいエリアでは、観光業等の取組み加速し、交流人口を増やす必要有

トレンド③空き家問題

【原因】少子高齢化
●2013年全国の空き家数は約820万戸、全住宅の7戸に1戸
●2033年頃には空き家数2,150万戸、全住宅の3戸に1戸!

【問題点】
●不法侵入や不法占拠等の犯罪リスク
●建物の老朽化による倒壊や衛生面でのリスク
●周辺地域への風評等のリスク

【問題の所在】
●一人身高齢者、親族間の相続トラブル、解体費の問題等

【対策】
●政府は、2025年には管理者がいない空き家を500万戸から100万戸抑制して400万戸にする目標と発表
●空き家条例/空家等対策特別措置法の制定
→空き家活用を専門とし、空き家情報から不動産取引につなげる不動産会社も増加
→民泊やカフェへのリノベーションも活発に
→中古不動産の在庫増加による取引の活発化

トレンド④働き手不足

【統計】
●生産人口
8000万人(2013年)→7000万人(2027年)→ 5000万人(2051年)→4418万人(2060年)
●完全失業率:2%台半ば(2020年~)
●有効求人倍率1.61倍(2018年)(※総務省、厚生労働省等サイトより)

【人手不足業界】
●建設土木関係、医療関係、サービス接客関連、IT関連

【対策】
●労働条件の改善・採用強化
●女性、シニア、外国人労働者などの受け入れ
→人手不足のサービス業界等でテナントニーズ↑

トレンド➄働き方改革

【目的と対策】
労働力不足解消のため、
●働き手を増やす(外国人、高齢者、女性)
●出生率を上げる
●労働生産性を向上させる
※日本の労働生産性はOECD加盟国の全35か国の中で22位であり、主要7か国ワースト。

【傾向】
●長時間労働の解消(36協定)
●外国人労働者の受け入れ
●副業も解禁
→余暇や学習関連の施設のテナントニーズ等
→外国人の住まい等のニーズ
外国人の入退去を専門とする不動産会社も増加
→不動産関連の投資への関心増加
→シェアオフィス等の個人事業やスモールビジネス向け
サービスの人気増大(Wework)

トレンド⑥グローバル化

●外国人労働者の受け入れ
●外国企業の日本進出
●外国企業や個人の日本不動産購入(ニセコ等)
●海外不動産や海外リートへの投資も
→外国人労働者の住まい整備の必要性
→新たなオフィス需要も(例、アップルやアマゾン等)
→インバウンド投資傾向の維持
→海外不動産やリートへの投資機会増大

トレンド➆観光業

コロナ前までは。。。
●政府も観光業に力を入れている!
(例、国土交通省のビジットジャパンキャンペーン)
●コロナ以前は増加傾向、2019年は約3200万人!
特に多いのが中国人観光客で約959万人
●2030年には年6000万人まで増やすことを目標!
→観光に伴うホテルや旅館ニーズの増加
→日本を気に入った外国人の日本不動産投資意欲の増大
→外国人旅行者向けの不動産開発も加速(例、ニセコ)

トレンド⑧IT化(不動産テック)

不動産テックの益々の拡大!
●マッチング、価格評価、内覧、重説、契約、IoT、物件管理、建設管理、ローン、クラウドファンディング、リノベーション、VR、etc…。
なぜテックが参入するか?
従来より、日本の不動産業界は典型的な情報の非対称性産業であり、取引がオープンにならない
(米国ではシステムで取引が一般の方にも公開されている)

徐々に、テックにより透明化される流れ
市場規模の大幅な増大も予想されている!
引き続き、様々な分野での不動産テック化が進む
→マッチング、価格評価、内覧、重説、契約、IoT、物件管理、建設管理、ローン、クラウドファンディング、リノベーション等

トレンド➈不動産の金融商品化

●Jリート市場規模の拡大

●海外リートの購入も容易に
●不動産クラウドファンディングの増加
→不動産がより身近な金融商品に

トレンド➉建物の老朽化

●空き家の増加
2013年全国の空き家数は約820万戸、全住宅の7戸に1戸
2033年頃には空き家数2,150万戸、全住宅の3戸に1戸!

●大規模修繕が必要なマンションの増加
築40年超のマンションが急増、修繕金不足懸念も

●ビル及びビルオーナーの高齢化

→マンション管理や修繕補修、リノベーション事業、解体や再開発の必要性が増加する見込み

トレンド⑪自然災害

●自然災害の増加
全国各地での地震(東北、熊本、新潟等)
(巨大東海地震も懸念されています…)
巨大台風や土砂災害(関西、広島等)
液状化等(千葉等)

●災害に強い家、構造が必要

●企業もBCP(事業継続計画)の向上やエリア分散が必要
(例、トヨタの東北所在工場停止によるサプライチェーンのストップ等の影響)

→自然災害に強い構造をもつ家・ビルやCRE戦略(コーポレートリアルエステート)による拠点配置等が重要になる

トレンド⑫環境問題

●環境問題・持続可能性(サステナビリティ)への高まり
●個人住宅でもソーラー発電等
●企業では、CSRとしてビルや工場の環境優良化へ取組み
●リートもESG投資を加速
→ESG投資の増大、環境不動産への価値が増加

トレンド⑬その他(イベント等)

(延期にはなりましたが…)
なんといっても東京オリンピック!
次に待っている大阪万博!
そして、動向が大注目のカジノ誘致!
→エリアの活性化、不動産開発・取引の活発化
→外国人向けの多言語対応をした対応をしたホテルや不動産サービス
→バリアフリーの建築物等

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